睡眠障害のナルコレプシーとは。

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ナルコレプシーは、昼間の耐えがたい眠気や、笑ったりびっくりすると全身の力が抜けてしまう情動脱力発作(じょうどうだつりょくほっさ)、寝入りばなに現れる金縛(かなしば)りのような症状である睡眠麻痺(すいみんまひ)や、寝入りばなの夢体験による入眠時幻覚(にゅうみんじげんかく)を主な症状とする慢性疾患です。
 この病気は10代に発症する場合がほとんどで、中年期以降に発症することはまれです。およそ1000〜3000人に1人の頻度でみられます。
この病気の原因はまだ明らかにされていません。白血球の血液型(HLA)を調べると、この病気にかかっている人には特定のタイプが多いため、何らかの体質的要因が発症に関係していることが考えられています。
 最近、オレキシンという脳内物質の低下が、この病気の発症に関わっていることがわかってきました。
■ 昼間の耐え難い眠気(睡眠発作)
危険な作業や大事な会議、デートの最中など、積極的な参加や緊張感を要する状況でも、本人の意志に関係なく突然眠り込んでしまいます。睡眠発作は、30分ほどで自然に目覚め、起きれば気分はスッキリします。起きた後しばらくは眠気がなくなっていますが、数時間たつと再び激しい眠気が襲ってきます。
病気についての理解がない周囲からは、怠けているとか、気合が足りないと見られることもあます。そのため、社会生活に大きな差しさわりとなることがあります。
■ 情動性脱力発作(カタプレキシー)
サム・アップ
興奮すると、ガクッときます
笑う、喜ぶ、怒る、驚く、興奮するなど、強い感情の動きが引き金になって、全身の筋力が抜けてしまう発作です。
発作中、意識はしっかり保たれています。数秒~数分たつと元に戻って、自然に力が入るようになります。
発作の程度はいろいろあり、ろれつが回りにくい、首が前にガクッと垂れ下がる、手足に力が入りにくくなるものから、その場に倒れこんでしまう重度のものまであります。
また、情動性脱力発作を起こさないタイプのナルコレプシーもあるので、注意が必要です。
■ 睡眠麻痺
いわゆる金縛りと呼ばれているものが、寝入りばなや目覚めた直後に起こります。睡眠麻痺は、数分以内に、自然になくなります。
健常な人では、寝ついてから90~120分してから現れるレム睡眠が、ナルコレプシーの人では寝ついてすぐ現れます。レム睡眠は、全身の筋肉が動かない状態の浅い眠りです。この睡眠のときに、何かの原因で意識が残っていると、体が動かせずに焦ってしまいます。
■ 入眠時幻覚
睡眠麻痺と同時に起こることが多いものに、入眠時の幻覚があります。この2つと情動性脱力発作をまとめて、レム睡眠関連症状 とも言います。
幻覚は、怪しい人影や化け物が危害を加えにくるなど、かなり現実感があり鮮明で、恐ろしいものが多いようです。これも睡眠麻痺と同様に、数分以内になくなります。
4大症状は、ナルコレプシーの患者さんによく見られるものですが、4つ全てが現れるのは、患者さんのうち20~25%の人だけです。
日本では人口の0.16~0.59%、欧米では0.02~0.04%がこの病気にかかっています。10歳代で発症することが多く、家族内発症も4.3~7.5%にみられることから、遺伝的な素因も発症に関係しますが、後天的な要素も大きいと考えられています。
ナルコレプシーの治療のためには、自分でできることと、周囲の人たちにしてもらうこと、医療機関が行うことの3つに分けられます。
■ 生活習慣の改善
決まった時刻に起きたり眠ったりを基本とする、規則正しい生活を送って、睡眠不足を避けるようにします。
さらに、昼休みと午後5時ころに、15分程度の昼寝をとると、日中の眠気をコントロールしやすくなります。
睡眠発作が起こったら危険な車の運転や調理は、できるだけ眠くなりにくい時間帯に行いましょう。また、暴飲暴食を避けることも大切です。
■ 睡眠薬
睡眠が浅く、夜中に目が覚めやすいときには、作用時間が短い睡眠薬が処方されます。夜にグッスリ眠れることで、昼間の眠気が和らぐことがよくあります。
■ 中枢神経刺激薬
昼間の激しい眠気や睡眠発作に対して、これまではリタリン(一般名:メチルフェニデート)やベタナミン(一般名:ペモリン)が使われてきました。しかし2007年に、リタリンの乱用や依存が社会的な問題となり、登録された専門医だけが処方できる制度になりました。
それに代わって2007年春から、ナルコレプシーに伴う日中の過度の眠気に対する治療薬 モディオダールR錠 (一般名:モダフィニル)が、使えるようになりました。この薬は、欧米を中心に世界30カ国以上で承認されていて、ナルコレプシー治療の第1選択薬となっています。
■ 抗うつ薬
情動性脱力発作や睡眠麻痺、入眠時幻覚などのレム睡眠関連症状に対しては、レム睡眠を減らす作用があるアナフラニールやトフラニールなど3環系抗うつ薬が有効です。最近では、より副作用が少ないセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン‐ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)がよく処方されています。
病状を知っておくことが大切ですね。そして体調がおかしいなと思ったら、医師に相談しましょう。日頃から生活習慣を整えて、元気に過ごしましょう。(ぐっすりスタッフ) 
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